1月23日に白根山が噴火したとのニュースが飛び込んできました。その時、やっぱり、と思いました。というのは昨年の10月に長野を訪れた帰りに、草津白根山に立ち寄ったからです。
ずっと以前は、火口の湯釜まで近づけたはずでしたが、この日は噴火警戒レベルが6月7日に2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げられたということで、湯釜に近づくことはできず、展望台から眺める措置が取られていました。
駐車場に車を停めて、駐車場を横切り展望台への登山道を昇ります。駐車場にはシェルターがあって、物々しい雰囲気です。また、登山道の途中にも退避小屋がありました。展望台まで登ると、男の人が一人、所在なさげにパイプ椅子に座っています。話しかけてみると、万一の時に誘導するために四六時中、監視しているのだということでした。後で調べてみると、カメラや機器による監視体制も万全のようです。
張られたロープ(火口から500メートルだそうです)の外側から湯釜を遠望しました。
湖水は、きれいな白っぽい青色をしており、すぐに硫酸銅イオンのことを思い浮かべましたが、監視員のおじさんは違うと言います。水に溶け込んだ鉄イオンや硫黄などの影響で、特定の波長が吸収されて、このように見えるということです。pHは1.0前後で、世界でも有数の酸性度が高い湖と言われているらしいです。
幻想的な湖水の色とは対照的に、湯釜の周りは赤茶けた岩がむき出しで、火山活動が名残が明瞭です。足元を見ると大小の赤茶けた石がごろごろしています。
というわけで、白根山で噴火というニュースが飛び込んできたときに、すぐに火口湖である湯釜付近で噴火があったのだと思いました。ところが、だんだんわかってきたところによると、噴火はマグマ噴火ではなく水蒸気噴火で、噴火したところは、湯釜から南へ2kmほど離れた、本白根山の火口湖である鏡池の北側付近でした。こちらは予兆などが全くなく、監視の対象から外れていました。想定外だったのです。
地震にしろ火山噴火にしろ、予知するのは難しいですね。日本列島はそういう立地条件にあるのだと、心しておく必要があるのでしょう。