御開帳というと2番目の意味が頭に浮かんでしまう不信心者ですが、牛にひかれてならぬ、妻にひかれて善光寺の御開帳に、4月27日から28日に行ってきました。数えの7年ごとなので、次の時にはどうなっているか(生きているか?)わからないから行こう、という一声です。
善光寺はたぶん名前を知らない人はいないほど有名なお寺さんですが、行ってみて(初めてではないのですが、いつ行ったか覚えていません)、知らないことがたくさんあることがわかりました。まず、宗派に分かれる前のお寺なので、XX宗のお寺ではなく、無宗派の単立寺院であること、天台宗の大勧進貫主と曹洞宗の大本願上人の二人が住職を務めることなど、知りませんでした。縁起によれば本尊は絶対秘仏で(つまり誰も見たことがない)、天竺(つまりインド)で作られたものが百済経由で日本に渡来したということです。それが何で長野にあるかというのは、いろいろとお話があるようです。
長野駅から歩いて10分ほどでしょうか、道の両側は町並み保存をしているようで、趣きのある建物が並んでいます。お寺の参道入り口の右側に長野県道路元標があることを知りました。
参道を進むと右側に宿坊が立ち並んでいます。あとで調べたら、全部で39あるそうです。それぞれに御堂があり、住職がいると書かれていました。なかなか立派な建物です。
山門には御開帳の文字が掲げられています。
本堂の前には回向柱が立てられ、そこから一本の五色の紐が本堂の方に伸びています。御開帳とは絶対秘仏である阿弥陀如来の代わりに、前立本尊が本堂内に安置されることを言い、その前立観音にこの紐がつながっています。回向柱に触れることで、前立本尊に触れたのと同じご利益があるということです。
長い列の最後尾につけ、本堂内に入り前立本尊を拝観。暗い中で待つことしばし。祭壇の上の壁の装飾(後で調べると、左側が来迎二十五菩薩、右側が百菩薩の一部でした)が金色にひかります。
拝観を終え、今度はお戒壇めぐり。本堂の祭壇の下にある真っ暗なトンネルを手探りでたどり、何やら錠前のようなものを触って戻るというものです。
この後、本堂内を見て回り、賓頭盧様や閻魔様が置かれているのを見ました。そういえば、昔のこと九品仏浄真寺にも閻魔道があっておっかない閻魔さんが置かれていたことや、本堂に正塚のおばあさん(脱衣婆)のいやに白い像が置かれていたことを思い出しました。ここの閻魔さまはちょっと漫画チックであまり怖くありませんが、九品仏のは怖かった記憶があります。出口に近いところで並んでいるので後に着くと、お坊さんに頭をなでられ(たたかれ?)ました。前立本尊拝観、ご戒壇の錠前に触ること、お坊さんの厄払いと3つそろったので、しばらくは安泰でしょう。
本堂の周りには善光寺の縁起を記した額がかけられていたので、それを読んで、冒頭に書いたことを知りました。その後、裏手にある忠霊殿の下にある資料館を見ました。ここにはたくさんの奉納された額が展示されていて、古くから(といっても江戸時代のものが多かった)善光寺が信仰の対象であったことが読み取れます。どれも病気回復とか奇跡に対するお礼の額です。
帰り道、寒天パパのお店を見つけ寒天製品を購入し、教えてもらった喫茶部で冷たいぜんざいを食べました。寒天パパという会社を応援しているのです。
今日の宿泊場所は松代荘です。松代駅から少し歩いたところにある国民宿舎ですが、ここの温泉がなかなかのです。信玄の隠し湯だということですが、山あいというのではなく平地に建っているのに、豊富な湯量の温泉があるのです。しかもその温泉がなかなかいいのです。
鉄分のためか赤茶色ににごり、ナトリウムイオンとカリウムイオンの濃度がとても高いので、なめると塩辛く、写真にあるように飲用にはならないと書かれています。ちなみに1リットル中、ナトリウムイオンが3125㎎、カリウムイオンが423㎎、マグネシウムイオンが280㎎カルシウムイオンが1136㎎含まれています。陰イオンでは塩素イオンが7079㎎、硫酸イオンが294㎎、炭酸水素イオンが2046㎎です。pHは6.52とありました。
http://www.matusirosou.com/hotspa.html
肌にはとてもいいようで、信玄の隠し湯といわれるのは、川中島の合戦で傷ついた兵士の傷と疲れを癒したといわれているためです。ゆっくりと浸かってきました。
翌日は親戚の家を訪ね、お昼は竹風堂の栗おこわ山家定食を一緒に食べました。これも行くと必ずという定番です。
その後、長野に戻り、そこでも別な親戚とお茶をして、長野新幹線で帰路につきました。